断水時に雨水を集めて生活用水にする方法:熊本地震支援

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8月11日現在、熊本県では地震による断水が続いています。

八代市などでは、いまなお多くの世帯で水道が使えない状態が続いており、水回りを支援する設備の稼働も始まっています。断水が続く中で、特に厳しいのが、飲み水だけではありません。

洗濯をする。
汗をかいた身体を洗う。
シャワーを浴びる。
身体を拭く。
トイレを流す。
家の中を掃除する。

こうした生活にも、大量の水が必要になります。

一方、現在、日本列島には台風15号が接近しています。8月12日にかけて、警報級の大雨となる可能性もあります。もし断水している地域に大量の雨が降るのであれば、ひとつ考えておきたいことがあります。

もし自宅で雨水を集めることができるなら、その雨を生活用水として利用できないでしょうか。

もちろん、この記事は「雨水をそのまま飲みましょう」という話ではありません。飲料水や調理用水については、別途、安全な水を確保する必要があります

ここで考えたいのは、「飲めない水でも、生活には使える」ということです。

雨水をうまく集めることができれば、断水中の洗濯、トイレ、掃除、そしてシャワーや水浴びなどに使える可能性があります。

この記事では、屋根と雨どいを使って雨水を集める場合に、

  • 最初の雨をなぜ捨てるのか
  • どのくらい捨てればよいのか
  • 強い雨なら何分待てばよいのか
  • どれくらいの水を集められるのか
  • 集めた水を何に使えるのか
  • 身体を洗う場合はどうすればよいのか

を、できるだけ簡単に説明します。

目次

まず、雨水を集めるなら「屋根と雨どい」を使う

雨をバケツで直接受ける方法もあります。

しかし、台風のような大量の雨が降るときには、雨どいを流れ落ちる水を利用するほうが圧倒的に効率的です。

屋根の面積が100平方メートルあるとすると、雨が1mm降るだけで、理論上は約100リットルの水が屋根に降ります。

つまり、雨量10mmで約1,000リットル雨量25mmで約2,500リットル雨量50mm で 約5,000リットルです。

実際には屋根の形状や雨どいなどによる損失がありますが、それでも大量の水を集められることが分かります。雨水利用では、降水量、屋根面積、屋根からの流出率を使って集水量を見積もる考え方が一般的です。

ただし、降り始めの雨はいったん捨てる

ここが重要です。屋根には、雨が降っていない間に、ほこりや虫、鳥などの排泄物などが付着しています。降り始めの雨は、それらを一気に洗い流します。そのため、最初に流れてくる雨は、その後の雨より汚れている可能性があります。

この最初の雨を別の容器などに逃がし、その後の雨を貯めると比較的、きれいな雨水を回収することができます。

何分後の雨水を集めたらよい??

雨水がある程度きれいになるのを待つ必要があるなら、「最初に何mm降った雨を捨てるか」という疑問がわきます。

その場合、以下の表を参考にして、雨水を集めてください。重要なのは、降雨強度と時間との関係です。一般的には5㎜の雨が降るまでといわれていて、この情報から、どの段階から雨水を集め始めればよいかわかります。

雨の強さ5mm降るまで
10mm/h約30分
25mm/h約12分
50mm/h約6分

つまり、台風のように50mm/hという非常に強い雨が降っているなら、最初の5mmを捨てるために30分待つ必要はありません。約6分ですし、逆に、10mm/h程度の雨なら、5mmに達するまで約30分かかります。

実際の雨は強くなったり弱くなったりするので、これはあくまで目安です。

集めた雨水は、何に使える?

集めた雨水は飲料用や調理用など、口に入る用途には使わず、次のような用途に使うことをお勧めします。

  • トイレ:これは最も使いやすい用途のひとつです。雨水をバケツなどに貯め、トイレの洗浄に使えます。
  • 掃除:床や玄関、屋外の清掃などにも利用できます。
  • 洗濯:飲料水を使う必要はありません。
  • 身体を拭く、シャワー、水浴び:汗をかいた体を清潔にするのに使えます。身体を拭く用途にも利用できます。

ただし、「口に入らない」とは限らない

シャワーを浴びれば、水が顔にかかります。口に入ってしまうこともあるでしょう。だからこそ、身体を洗うための雨水については、できるだけ細菌を減らしておくという考え方があります。そのための方法として塩素による消毒という方法があります。飲料水などの場合は煮沸という手もありますが、シャワーなどの場合は沸かすのも大変ですので、簡単に消毒可能な塩素による殺菌を推奨いたします。

雨水を塩素消毒する場合

ここで注意してほしいのは、この記事で紹介する塩素消毒は、

「この水を飲める水にする」ためのものではありません。あくまで、「身体に触れる水に含まれる細菌を減らす」ことを目的とします。

塩素で水中の細菌類を死滅させるには、5Lに対して6%の塩素溶液を2滴たらしてよくかき混ぜることで十分な殺菌が可能です。

6%の塩素溶液は、衣類用/洗濯用のハイター、ブリーチ(塩素系)が使えます。香料など入っていない、もっともシンプルなものがよく、ドラッグストアなどでお買い求めいただけます。


シャワーや水浴びをするときは、こう使う

夏場の断水なら、身体や手、顔を洗いたいという人は多いはずです。15リットル程度の水があれば、身体を洗うにはかなり役立ちます。ただし、普通の水道とは異なるので、最低限の殺菌をすることを推奨いたします。

目安は、5Lの水に対して2滴。15Lバケツに汲んだ水なら、5~6滴です。

衣類/洗濯用のハイターをスポイトで適量とって、5Lに対して2滴の割合で滴下して、その後、シャワーや身体を洗う水として使用ください。

飲まないから塩素はいらないと思わず、

  • 知らない間に、手足に傷があるかもしれない。
  • 気づかないうちに、少し口や目に入ってしまうかもしれない

などのリスクがありますので、最低限の消毒はしてください。

できれば

厳密にいえば、シャワーなど口に入ったり、傷口に触れる可能性のある水だけ消毒しておけば十分ですが、できればバケツや何かの容器に貯めた雨水は、すべて殺菌しておきましょう。

  • 5L:2滴
  • 15L:6滴
  • 100L:40滴(約小さじ半分)
  • 200L:80滴(約小さじ1杯)
  • 1000L:400滴(約大さじ1+小さじ1)

大人はわかっていますが、子供が誤って飲んでしまうかもしれません。大人でも傷口に触れるような用途なら、殺菌しておいた方が安心です。そのため、雨水をバケツなどに組んだら、ぽぱぱっと、ハイターでそれぞれの容器に塩素溶液を垂らして、十分に消毒しておく方が安心です

飲み水と生活用水を分ける

ここがこの記事で一番伝えたいことです。

断水すると、「全部の水を飲める水にしなければならない」と考えてしまいがちです。

しかし、実際には違います。飲み水は、給水所や備蓄水、ペットボトルなどから確保する。

一方で、トイレ、洗濯、掃除、身体を洗う水には、雨水を利用する。

こうして水を使い分ければ、貴重な飲料水を生活用水に使わずに済みます。

まとめ――雨が降ったら、水道水の代わりにできる水を作る

断水しているとき、大量の雨が降っているなら、その雨は貴重な資源になります。とはいえ、川や道路の側溝など、地表の水を汲まずに、雨どいなど、組みやすいところから雨水を汲んでください。

覚えておきたいのは、次のことだけです。

  • できれば屋根と雨どいを利用する
  • 降り始めの雨は捨てて、きれいになってから集める
  • 10㎜なら30分後、25㎜で12分後、50mm/hの雨なら約6分後
  • その後の雨を清潔な容器に集める
  • 集めた雨水は、手洗い、シャワー、洗濯などで使用可能
  • 身体を洗う場合は、口・目・傷への接触を避ける
  • 塩素消毒は必須とする
  • 塩素消毒は、衣類用/洗濯用ハイターで、5Lに対して2滴(急ぐ場合は4滴)
  • 飲み水と調理用水には、ペットボトルの水など安全な水を使う

断水しているときに必要なのは、「すべての水を飲める水にすること」ではありません。

飲み水は飲み水として大切に使い、それ以外の用途には、使える水を別に確保する。

台風で大量の雨が降るなら、その雨をうまく利用するだけで、洗濯や身体を洗うための水をかなり補える可能性があります。もし今、断水していて、これから大量の雨が降る地域にいるのであれば、使えそうなバケツ、ポリタンク、浴槽など、雨水を受けられる清潔な容器を先に用意しておくことも、ひとつの備えになります。

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