地震や断水などの災害時において、確保できた水を安全に飲用するには、適切な塩素消毒が欠かせません。では、実際に手元にある「次亜塩素酸ナトリウム」を使って、どのくらいの量を加えればよいのでしょうか?
この記事では、災害時に家庭でも実践できる簡単かつ正確な消毒方法を、計算式と目安量を交えてわかりやすく解説します。

災害時でも水は消毒が必要
井戸水や貯水槽の水、雨水、あるいは公園の池やため池の水をやむなく利用する場面では、そのまま飲むのは危険です。消毒をせずに飲むと、下痢や嘔吐を引き起こす病原菌やウイルスに感染するリスクがあります。
そんなとき、簡易的な水処理方法として有効なのが、塩素消毒(次亜塩素酸ナトリウムの添加)です。
水道水と同じ安全基準を目指そう
厚生労働省によると、水道水の残留塩素濃度は0.1mg/L以上が義務づけられています。また、実際には0.3~0.5mg/L程度に調整されている自治体がほとんどです。
ただ、この濃度目標(0.3~0.5mg/L)は消毒時に塩素が水の中の物質と反応し多少消費された後の塩素濃度となります。
そのため、災害時にはこの基準を参考に、目安として0.5mg/L~1.0mg/Lの濃度を添加できると安全といえます。
次亜塩素酸ナトリウムとは?
多くの家庭で使われている漂白剤(洗濯用ハイターや洗濯用ブリーチなど)には、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が含まれています。市販の原液は通常、約6%の濃度です。
- 6%の次亜塩素酸ナトリウム液=60,000mg/Lの有効塩素を含みます


実際の計算例(水15Lを消毒する場合)
では、標準的なバケツ1杯(15L)の水が0.5mg/Lの塩素濃度となるよう調整する場合(最終的に0.3mg/L程度になると想定)、どのくらいの原液を加えればよいのでしょうか?
水15Lを消毒する場合
▶ 計算式
- 必要な塩素量 = 15L × 0.5mg/L = 7.5mg
- 使用する液の塩素濃度(ハイターの塩素濃度) = 60mg/mL(6%)
- 必要な液量 = 7.5mg / 60mg/mL = 0.125mL
▶ 実際にはどう測る?
- 0.125mL は
- 小さじ1杯(5mL)の1/80。計量が非常に困難です。
- スポイト1滴(0.05ml)だと、2~3滴です。3滴が確実。
- つまり、5Lに1滴の割合と覚えておくとよい
よって、バケツ1杯(15L)程度の水には、スポイトで3滴の塩素添加で消毒できます。
注意点と応用
- 消毒対象の水が濁っている場合は、ろ過や沈殿をしてから消毒してください。
- 濃すぎる塩素は有害なため、目安以上は入れすぎないよう注意しましょう。
- 次亜塩素酸ナトリウムは日光や熱で分解されやすく、時間経過でも徐々に分解しますので、長期間の保管はせず、直射日光の当たらない場所で、できれば涼しいところで保管しましょう。
まとめ:覚えておきたい基本量
目安:水5Lに対して、スポイトで1滴の6%次亜塩素酸ナトリウム液を加える
覚えておくべきことはこれだけです。
万が一のとき、手元にこの知識があるかどうかで、命の安全性は大きく変わります。万が一の時のために自宅に洗濯用ハイターとスポイトを備えておくと安心です。
災害時でも、安心して飲める水を確保しましょう。
できれば、「洗濯用ハイター」を用意しましょう。余分な成分が含まれていません。
どうしてもない場合は、「キッチンハイター」でも大丈夫です。