イギリスで生まれ、日本で再び花開くもの

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― ジンと緩速ろ過に感じる不思議なご縁 ―

本日、緩速ろ過に関心を持つ方と夕食をご一緒する機会がありました。

そこで不思議なご縁を感じる出来事がありました。

その方の奥様はイギリス人だったのです。

なぜか心に浮かんだのは、イギリスで生まれたあるお酒の物語でした。

それは「ジン」です。

ジンはイギリスを代表するスピリッツの一つとして知られています。現在では世界中で愛される4大スピリッツの一つに数えられていますが、実はその歴史を見ると、イギリス国内だけで大きく花開いたわけではありません。

イギリスで生まれたジンは、海を渡りアメリカで大きな人気を獲得しました。そしてアメリカでの発展をきっかけに、世界中へ広がっていきました。

生まれた場所と、世界へ羽ばたく場所は必ずしも同じではない。

このことを、ジンの歴史は教えてくれます。

そして今、同じような物語が「緩速ろ過」に起きようとしているのではないでしょうか。

緩速ろ過は、イギリスで生まれた水処理技術です。

ゆっくりと砂の層を水が通過することで、自然の力を利用して水をきれいにする。そのシンプルでありながら奥深い仕組みは、長い年月にわたり世界各地で利用されてきました。

しかし現在、その価値を改めて見つめ直し、未来へつなげようとしている人がいます。

その一人が、信州大学名誉教授の中本信忠先生です。

中本先生は、水道専門誌「水道公論」に5年間にわたり連載を続け、緩速ろ過の素晴らしさ、自然の力を活かした水づくりの大切さを発信してきました。

その連載も2026年9月号で一区切りを迎えます。

5年間、毎月のように言葉を積み重ね、緩速ろ過という技術の価値を伝え続けてきた。その歩みは、まさに未来への種まきだったのではないでしょうか。

そして、もう一つ大きな節目が訪れます。

2029年。

イギリスで緩速ろ過が誕生し、広がり始めてから200年という記念すべき年になります。

200年前にイギリスで生まれた技術が、時代を超えて日本で再評価され、そして再び世界へ向かおうとしている。

これは偶然なのでしょうか。

ジンがイギリスで生まれ、アメリカで花開き、世界へ羽ばたいたように。

緩速ろ過もまた、イギリスで生まれ、日本で新たな価値を見出され、世界へ広がる時を迎えているのかもしれません。

今日の夕食で出会った、緩速ろ過に関心を持つ方。そしてイギリスにつながるご縁。

一見すると小さな出来事ですが、大きな歴史の流れの中では、何か意味を持つ出会いだったように感じます。

200年という節目を迎える2029年が、緩速ろ過に再び世界の注目が集まる年になることを願っています。

自然の力を信じる技術が、未来の水を支える。

その物語は、今まさに新しい章を迎えようとしています。

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