「備蓄のペットボトルが尽きそう……」――そんなとき最後の砦になる“家庭内浄水テクニック”を伝授します。
高価な浄水器が無くても、工夫しだいで“飲める水”はつくれます。いざという時に慌てないよう、最低限そろえておきたい道具と手順をまとめました。

1. 必要最低限そろえておく材料 〈“3 点セット”〉
①水の容器:
15L程度のバケツ、(無ければ)鍋、空のペットボトル(できるだけ大きいもの)など
②ろ過するためのもの:
・ざる
・きれいなタオル、ガーゼ、Tシャツ、キッチンペーパー、スカーフなど
③消毒剤:
塩素系漂白剤。ハイターやブリーチ。できれば洗濯用のもっともシンプルで安いものが理想。
これだけで “濁った水 → 飲める水” が可能
(漂白剤は未開封で 3 年程度保存可)
2. 安全な飲み水を作る 〈“3 ステップ方式”〉
STEP1:沈殿
やり方:バケツ等の容器に水を入れ、3時間以上静置し、上澄みだけを別のきれいな容器に移す
理 由:泥砂などの重たい不純物を沈めて分離するため
STEP2:ろ過
やり方:タオルなどの布をセットしたざるの上に、上から水を注ぎ、ろ過する。1度できれいにならなければ数回。100の水をろ過した後、20くらいの水で、タオルを洗浄すると、タオルは再利用できる
理 由:泥の細かい成分、緑の藻類などを最大限カットする

STEP3:消毒
やり方:水10Lに塩素系漂白剤を2滴の割合で垂らして、よく混ぜる。
理 由:水の中の細菌・ウイルスを次亜塩素酸で殺菌する。
用意した水がもともと濁っていなければ、STEP3だけでも大丈夫です
塩素系漂白剤の分量について(以下、目安)
① 5L:1滴
② 10L:2滴
③ 20L:4滴
あれば安心な+αアイテムの紹介
①スポイト:塩素の量を正確に量れるので、あると便利。なければ小さじ1/5程度でも。100均でも書道コーナーとかにあります【Amazon】
②コーヒードリッパー&コーヒーフィルター:より細かな濁り成分を除去できます。100均でもそれぞれ売ってます【Amazon】
③ポット式浄水器:ブリタの浄水器など注ぐだけのものは電気も使わないので災害時でも使えます。臭いや消毒後の塩素もカットしてくれます。浄水ポットと1つのカートリッジで3500円程度【Amazon】
知っておくと便利な水処理の方法
①日光の紫外線を使う:ペットボトルに入れて、日光に当てることで、日光の紫外線が塩素を揮発させる効果があります
②沸騰させる:塩素系漂白剤がない場合、煮沸で細菌・ウイルスの殺菌ができます。3分は沸騰させましょう。
こういうのはどうなのか?
おそらく何人かは、今回の記事のタイトルを見たとき、このような装置作りをイメージした方もいらっしゃると思います。
これは悪くはないのですが、以下の理由で今回は採用しませんでした。
①ろ材から濁りが出るので、最初によく洗う必要がある
ろ材をどうやって手に入れるかにもよりますが、砂利や砂に泥がついていた場合、それ自体から濁りが発生してしまうので、事前によく洗う必要があり、結構手間がかかります
②定期的にやはり洗浄が必要だが、洗浄の手間がかかる
濁った水をろ過すると、その濁りが徐々にたまります。その濁りを取るのがまたそれなりに大変です。ざる+タオルの場合、タオルは洗いやすいので(キッチンペーパーの場合、取り換えるだけでOK)、現実的かなと思います
③ペットボトルを加工するときに、ケガする可能性がある
このような作業に慣れていないと、作業中にケガをする可能性はどうしても否定できません。通常時ならまだしも災害時のけがは消毒薬とかが身の回りにないと感染症につながったり、、という可能性も否定できないので、避けたいと思いました
まとめ 〈覚えておくポイント〉
- 最低限の 3 点セット(容器・布・塩素)があれば“飲める水”は自作できる
- +αアイテムで味・安全性をさらに向上できる
- 水源探しは別記事で解説 →
- 「災害用飲み水は備蓄できても、シャワーは? 断水30日間を乗り切る生活用水5つの裏ワザ」(有料(500円)記事)
- 次回は 「災害用膜浄水器は実際使えるのか??」について書きますので、興味のある方はそちらも!
今夜 5 分 で「漂白剤のストックとバケツの場所」を家族で共有しましょう。
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