【現地見学レポート】緩速ろ過で鉄もマンガンも除去できる!? ランニングコストを抑えた施設運営

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20年間稼働する施設。予想以上の能力に驚いた

昨日、大分県の黒土地区で、緩速ろ過による除鉄・除マンガン施設を見学してきました。

設置から約20年が経過していますが、必要な処理性能をしっかり発揮していました。現在の利用者は10名強で、4人が交代制で日常的なメンテナンスを担っています。期待していた以上に良好な状態で、20年間にわたって使われ続けてきた実績に、緩速ろ過の力を改めて実感しました。

維持管理としては、一般的な緩速ろ過と同様に、砂かきに近い作業が行われています。また、2年ごとの砂の入れ替えも必要とのことでした。

それでも、現場で確認した施設維持の費用は、数年ごとの補砂に必要な砂代と電気代程度でした。処理性能を保ちながら、ランニングコストがここまで小さい。この点は、今回の見学で特に印象に残りました。20年間の稼働実績と、維持管理費の低さ。この二つが、今回お伝えしたい最初のポイントです。


緩速ろ過は鉄・マンガンも除去できる

緩速ろ過は、濁度や有機物、細菌類などを低減できる浄水技術として知られています。条件によっては、窒素系物質の低減にも寄与します。

そして実は、鉄やマンガンの除去にも利用できます。今回の見学では、その能力が予想以上に高いことを実感しました。「鉄・マンガン対策にも緩速ろ過が使えるのか」と意外に思われる方も多いかもしれません。

一般的な除鉄・除マンガン設備では、薬品注入、逆洗、動力設備、特殊ろ材などが必要となる方式も多くあります。緩速ろ過では、こうした設備への依存を小さくできる可能性があります。設備が少なければ、その分、故障や消耗品の交換といった手間も減らせるからです。


ただし、普通の緩速ろ過を導入するだけではうまくいかない

ここが、今回の記事で最も大切な点です。

緩速ろ過で鉄・マンガンを除去できるからといって、一般的な緩速ろ過の設計条件をそのまま当てはめればよいわけではありません。

今回の見学では、良好な性能を発揮している施設の設計・運転条件を確認できました。鉄・マンガンを十分に除去するためには、通常の緩速ろ過とは異なる配慮が必要です。設計条件を誤ると、十分な除去性能が得られなかったり、維持管理の負担が大きくなったりする可能性があります。

また、今回の見学で得られた知見に加えて、維持管理をさらに省力化するための工夫も、いくつか考えられました。

具体的な設計条件や工夫の内容は、ここでは控えます。ただ、十分な性能を得るためには、設計上のノウハウが必要であることは、はっきりお伝えしておきます。


水質に合わせた設計で、さらに使いやすい設備へ

原水中の鉄・マンガン濃度やその他の水質条件は、施設ごとに異なります。そのため、黒土地区で良好だった設備を、そのまま別の場所に設置しても、同じ結果が得られるとは限りません。

重要なのは、実績のある施設の設計・運転条件を理解したうえで、導入先の水質に適した設計を行うことです。さらに、維持管理の方法にも工夫を加えれば、砂かきなどの作業負担を軽減できる可能性があります。薬品や電力の使用を抑えられる緩速ろ過は、長期的な維持管理費の面でも大きな魅力があります。

今回の見学を通じて、緩速ろ過による除鉄・除マンガンの可能性を改めて実感しました。

十分な除去性能を確保しながら、維持管理の負担とランニングコストをできるだけ小さくする。そのためには、現場で得られた知見を設計に反映することが重要です。

弊社でも、今回得られた知見を生かし、より維持管理が容易で経済的な除鉄・除マンガン設備の提案につなげていきたいと考えています。

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