ブログの執筆者紹介

「100 億人に命の水を」——井戸端から世界の水道へ

はじめまして。松尾 俊作と申します。
水とともに歩んだ二十五年を、少しだけ物語風にご紹介します。


ルワンダ国東部県ムシキリ村の水源へつづく道で、子供たちと

1. 池のほとりで芽生えた違和感

二〇〇〇年、資源工学を学んだ私は「環境問題解決に携わりたい」と衛生プラントメーカーへ入りました。初めて担当したのは、人工せせらぎの浄化装置。ろ過水は透き通るのに、数百メートル下流では一部でヘドロが溜まり、アオコが繁茂する——“きれいな水をつくるだけでは水環境整備にはならない”。そのギャップが私の原点です。


2. 廃水の顕微鏡観察と、お堀の藻

次は会津若松城のお堀の浄化実験。凝集剤で澄んだ水に戻しても、装置が止まれば藻が一夜で増殖。対症療法ではなく、原因に挑む技術が要ると痛感しました。その後、食品工場の廃水処理に没頭。毎日顕微鏡をのぞき、微生物の動きから処理状態を読む——ここで“生物処理が将来の日本や世界を救える力になる”と確信しました。


3. アフリカの井戸で誓ったこと

二〇〇八年、開発コンサルタントへ転職。タンザニアの村で、茶色い水をすする子どもに出会い、「どこに生まれても安全な水を」と誓いました。十数か国で給水施設を作り、水道計画を練り、水道研修を行う日々。けれど、完成した施設が維持管理不足で数年で止まる現実にも直面します。技術だけでなく、運営とコストが続く仕組みが必要——課題はむしろ日本にも通じると気づきました。


4. 限界集落で得たヒント

帰国後、水処理メーカーで循環型水処理装置や災害支援に従事。千葉の山間部では、住民十数戸の簡易水道を一年で刷新しました。よいお人柄の理事長らに「将来にわたり安定していい水を残したい」と奮闘した業務で、小規模でも安価で持続する仕組みは作れると確信しました。


5. 起業、そして情報発信へ

二〇二五年、株式会社水未来研究所を設立。「いい水を、誰にでも、低コストで」。しかし新規事業は試行錯誤の連続です。だからこそ私は、このブログで経験と失敗を惜しみなく共有することにしました。技術の翻訳書ではなく、井戸端会議のように語り合える場所を目指して。


6. 私が描く未来

  • 限界集落でも蛇口をひねれば飲める水
  • 災害後でも「安全な水を確保する術」を誰もが持つ社会
  • 確立した技術を再び世界へ

そんな未来を、読者のみなさんと一緒に実現したい。ブログの一記事が、家の備蓄タンクに水を入れるきっかけになり、遠い国の井戸プロジェクトへの支援につながるかもしれません。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
このブログが、あなたと世界の水をほんの少しでも良くする“水滴”になることを願っています。

株式会社水未来研究所
代表取締役 松尾俊作
matsuo@watervision.jp
会社WEB:https://watervision.jp/

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