古い技術だけれども使い方を変えたら、意外にすごかった、というものたまにありますよね
今回の「砂利ろ過」もそんな技術の1つになり、将来の水道のカタチを変えることになるかもしれません。

日本の水道の歴史で使われてきた浄水方法は、急速ろ過方式と緩速ろ過方式です。
どちらも砂によるろ過方式です。
砂利も水道業界で使用されてきましたが、ろ材としてというよりは、「砂の支持材料」としての側面で利用されてきました。
その砂利によるろ過で革命が起きたのです。
最初にその効果からお伝えすると、驚異的な濁質除去効果。
さらに、TOCという水中の有機物量の減少に、一般細菌や大腸菌などの菌類まで処理してくれます。
以下は、とある現場での水質分析の記録です。
ここでは、川の水を、「砂利ろ過」後に、「砂ろ過」して、最後に塩素による滅菌処理しています

こちらの表のとおり、砂利ろ過の段階で、濁度だけでなく、一般細菌、大腸菌にTOCまで減少しています。
水質基準とは、水道が水道として提供できるかどうかの基準値ですが、砂利ろ過の段階ですでにクリアしてしまっています。
しかも、砂利ろ過やその後の砂ろ過の段階では、薬品を使用していません。
ただ砂利や砂に水を通してあるだけです。
しかし、とはいえ、いろいろな工夫をしており、2週間おきくらいにメンテナンスが必要なのですが、そのメンテナンスも一部機械化を取り入れることで、メンテナンス頻度をぐっと少なくすることが可能です。
世の中のその他の浄水方法と比べ、機械設備が少なく薬品の使用量が少ないため、20年、50年と長期間のメンテナンスコストを比較すると圧倒的に安価な浄水方法です。
こんな砂利ろ過や砂ろ過の組み合わせの浄化方法を、日本に、また世界に広げ、安くてきれいな浄水方法の普及に努めてまいります。