はじめに:不便な現場が、開発の起点だった
とある山奥に、水処理装置を置くことになった。
電波はほとんど届かない。商用電源もない。それでも、装置は動かさなければならないし、定期的なメンテナンスのために現場に入り続ける必要がある。その「当たり前の不便」が、Valcon開発の出発点だった。
水道や水処理の現場は、都市部にあるとは限らない。むしろ、水源のそばに置かざるを得ない設備ほど、インフラの届きにくい場所にある。そういった現場で電動弁を自動制御したいと思ったとき、既製品を探しても見つからなかった。電源不要、Wi-Fi不要、スケジュール管理ができる電動弁制御装置——ありそうで、なかった。
挫折と気づき:電磁弁は、濁った水に勝てなかった
最初に目をつけたのは、スケジュール管理式の電池式の電磁弁だった。電源を必要とせず、弁を開閉制御できる。条件は揃っているように見えた。
ダイヤフラム式の電磁弁ということで、一抹の不安を抱えつつ、現場でテスト運用中の上向流粗ろ過装置に接続してみた。結果はすぐに判明した。
目詰まりを起こし、あっという間に機能不全に陥った。電磁弁は構造上、開口部が小さく異物が挟まると通水不良を起こしやすい。濁りを含む原水を扱う水処理の現場では、致命的な弱点だった。
その後、視点を広げ、全世界の電池式電動弁制御装置を探した。それでも、条件を満たす製品は見つからなかった。
ならば、作るしかない。そう決めた。
最初の試作は、1台の制御装置で1台の電動弁を動かすことから始めた。なんとか動作を確認できた後、さらに開発を進め、1台の制御装置で最大3台の電動弁を独立してスケジュール制御できる現在の形にたどり着いた。
開発秘話:リレーを探して、また探して
Wi-Fiで動作する電動弁という選択肢も、当然検討した。
通信さえ確保できれば、遠隔からの操作も監視も可能になる。しかし現場の電波環境がそれを許さなかった。電波がほとんど届かない山中では、Wi-Fi依存の設計は選べない。
開発で最も時間がかかったのが、リレーの選定だった。市販のプログラムコントローラが出力する信号を、電動弁の動作信号へ変換するためのリレーが必要だった。仕様を調べ、それらしき部品を見つけては購入し、試して、うまくいかなければまた探す。その繰り返しが続いた。
動作検証が取れてからは、操作性と見た目にこだわった。水処理の現場で使う機器は、操作が複雑では困る。担当者が変わっても、現地の管理者が見ても、直感的に分かる設計でなければ意味がない。シンプルであることを、妥協せずに追求した。
逆転の発想:「不便な場所」こそが、最高のステージだった
開発を進めるうちに気づいたことがある。電源不要・Wi-Fi不要という制約を突き詰めた結果、この製品は「不便な場所」だけでなく、あらゆる現場での自由度を手に入れていた。
たとえば、災害時の緊急仮設水道。被災地に持ち込めば、電気や電波があろうとなかろうと、コンセントの取り回しを気にせず装置を使いやすい場所に置いて、そのまま動かせる。平時から使い慣れた機器が、有事にもそのまま機能する。これは他の製品では難しい強みだ。
活用の幅はさらに広い。冬季の凍結防止を目的とした夜間の自動排水、一定時間だけ通水を止めるタイマー制御、逆に決まった時間だけ開放する制御——開と閉の両方をスケジュールで自在に組み合わせられるため、現場の用途に合わせた使い方ができる。
研究・開発の現場でも重宝する。次々と実験条件を切り替えながら検証を進めるような開発現場では、コンセント位置を気にせず、制御盤からの配線を引き回す必要もなく、Valconを実験に最適な場所に置いてそのまま使える。段取りの手間が減り、実験に集中できる。
圧倒的なコストパフォーマンスの正体
通常、電動弁を自動制御しようとすれば、電源工事と制御盤の設置が前提になる。工事費・機器費を合わせると、100万円以上になることは珍しくない。
Valconは、KITZのED-12シリーズの電動弁を含めて、一式30万円台から導入できる。工事費はほぼゼロだ。
ただし、これを「安い製品」と表現するのは正確ではない。削ったのは、この用途に不要な機能と、それに付随するコストだ。商用電源への接続、有線・無線の通信インフラ、制御盤の設計・製作——これらが本当に必要な現場は確かに存在する。しかし多くの小規模水道や水処理の現場では、そこまでの仕組みは要らない。スケジュールどおりに弁が開閉すれば、それで十分だ。
必要なものだけで構成された製品が、結果としてトータルコストを大きく下げる。Valconのコストパフォーマンスの正体は、そこにある。
3月末まで、お試し価格でご提供します
通常価格1台23.8万円(税別)のところ、3月末までの期間限定で、1台18.8万円(税別)でご購入いただけます(3台まで適用)。
Valconの詳細・仕様・お申し込みはこちらの特別販売ページからご確認ください。
お問い合わせフォームのメッセージ欄に 「Valconお試し!」 とご記入いただくだけで大丈夫です。現場の課題に合うかどうか、まずはお気軽にご相談ください。
